塔ノ岳登山のメインストリートとして有名な大倉尾根、その末端にあたる大倉高原にあった「大倉高原山の家」という山小屋の水場が数年前からずっと断水が続いています。
水源の取水口や送水パイプに問題があるのかもしれませんね。取水口に落葉でも詰まっている程度なのかな~と思い行ってみることに。
送水パイプは大倉高原から見晴茶屋までは一般登山道に埋設されています。ちょうど大倉尾根の「雑事場ノ平(ぞうじばのたいら)」と呼ばれている場所から「見晴茶屋」まで続く、平らで真っ直ぐな登山道の地面から所どころ露出している黒いパイプです。
黒いパイプを辿って茶屋建物の裏側へはいけないので、茶屋の前を通過し登山道をすすみ、ちょうど見晴茶屋の裏手にあたる急登の始まる所からバリエーションルートへ入ります。薄く踏み跡があり水場の管理路になっていたのでしょう。
前半はこの様な植林帯の中を進みます。黒色の送水パイプを目印に進んでいけば迷うことは有りません。
途中で数ヶ所あるポリエチレン管の継手。相当な長さになるんでしょうね。
まだまだ続きます…
初めて現れたT字型の分岐。斜面下側にはバルブがあり1mほどの短いホースが付いていました。おそらく清掃用のドレンシステムと思われます。
沢の音がだんだん聞こえ始め水源地が近づきます。するとこんな山奥に高さ2mほどの何かの建造物が目に入ります。なんと近づくとトイレでした。
さらに付近には作業小屋みたいな建物もあり、中には資材などが入っていました。造林小屋かもしれませんね。
小屋から少し進むと水源地の「一ノ沢」に出会います。
沢をつめていくとドラム缶など色々な残骸が現れます。
「一ノ沢」は右股と左股がありますが水源は右股にあります。分岐を右へ入りどんどん沢をつめていきます。
小さな緩い滑滝をいくつか越えると目的地の「大倉高原」の水源地に着きます。到着してみると現状は想像よりひどく。台風の影響でしょうか、流木や土石に貯水タンクとして使っていたドラム缶が流されていました。ドラム缶へ採水する塩ビパイプも損壊し水が貯められない状況でした。
これは復旧には人手やコストなどの他、長い時間がかかりそうですね。もしかしたら何年も断水したままと言うことは、復旧は無いのかもしれません。「大倉高原の水場」の復旧は多くの人が望んでると聞くばかりにとても残念です。なんとか有志による復旧作業など再び水場が使えることを願います。