キャンピングカーの冷蔵庫やアウトドア用の冷蔵庫にはプロパンガスを使った製品がありますが、どうして火をつけるためのガスで冷えるのか謎でした。
その仕組みがとても気になり調べてみると、なんと驚きの構造をしていて冷蔵庫なのにボイラーがあり火が点いているのです。「冷やさなきゃいけないのに火が点いている!」という、私の頭の中には無い謎の構造です。
どうやらプロパンガスで直接冷やしているのではなく、冷媒であるアンモニアが気化する時の気化熱を利用し冷やす仕組みで、アンモニアの循環にプロパンガスボイラーを使っているのでした。
そのプロパンガス式冷蔵庫が冷える仕組みを簡単な略図で説明すると以下のようになります。
細かい補助装置は略図から省略していますが、基本システムはこんな感じでとてもシンプルな構造です。では、冷媒のアンモニアの流れと働きについて順を追って説明します。
- 発生器をボイラーで加熱するとアンモニア溶液(アンモニアと水や添加剤などが含まれる)から気体のアンモニアガスが発生する。
- アンモニアガスが凝集器で液体のアンモニアに凝縮される。
- 液体のアンモニアが冷蔵庫内にある気化器で気体のアンモニアに気化し、その際の気化熱で冷蔵庫内が冷える。
- 吸収器で気体のアンモニアは再び液体に戻りアンモニア溶液になる。
という流れで冷蔵庫内を冷やしています。ちなみに、水素ガスはアンモニアの気化を促進するために充填されています。