「ESCAPE R3」のリアディレーラーのプーリーが摩耗したため交換をしました。純正で付いていたリアディレーラーがSRAMと言うメーカーの「X3」で、シフターもSRAM製で「X4」と言うモデルでした。
シフターは問題なかったのでリアディレーラーだけシマノ製の「ALTUS RD-M310」に交換しようと思っていたのですが、どうやらディレーラーとシフターのメーカーが違うと変速が上手くいかないという情報がありました。
そこでリアディレーラーを注文するのと一緒にシマノ製のシフター「SL-M315-8R」も同時に注文しました。そしてSRAMとシマノの互換性を試した後に、両方とも交換してみたので作業の手順と互換性についての結果を記載します。
まず互換性についてですが、このモデル(SRAM製「X4」とシマノ製「ALTUS RD-M310」)に関してはありませんでした。
ではさっそく今回の交換について詳しく書いていきます。「ESCAPE R3」の変速機は年式によって「シマノ」で組まれている時期と「SRAM」で組まれている時期があり、この2012年式の「ESCAPE R3」はスプロケット・リアディレーラー・リアシフターの全てがSRAMの製品で構成されていました。
まず検証したかった互換性の確認のために、リアディレーラーだけ今回購入したシマノ製「ALTUS RD-M310」に交換し、SRAM製のシフトレバーで操作してみたところ何度調整してもシフターの1インデックス操作分がディレーラー側では3~4段分の変速になってしまい正しく変速出来ませんでした。これはシマノとSRAMでワイヤーの「引きしろ」が違うと言う事が原因だと思われます。
そして今度はシフターもシマノ製の「SL-M315-8R」に交換して、ディレーラーとシフターはシマノ製に統一し、スプロケットはSRAM製という組み合わせで取り付けてみたところ、問題なく変速する事を確認できました。
では、さっそく取り付けていきます。
こちらがシマノの廉価ディレーラー「ALTUS RD-M310」です。SRAM X3に比べてプーリーが大きいく、ネジ固定のため分解整備が可能のようです。
こちらは、シマノ製のシフター「SL-M315-8R」です。SRAM製の「X4」シフターとはシフトアップ時の操作方法が異なり、人差し指でグリップ側に引きます。そのほかシフトダウン時はレバーを深く押し込むと一気に3速ギアを下げる機能もありました。
まぁ「SRAM X4」と大きな違いはありませんが、若干シフトレバーが軽くなった気がします。
ディレーラーの取り付けは簡単でボルト一本でディレーラーハンガーに留めるだけす。締め付けトルクはディーラーマニュアルによると8~10Nmと記載されていますが、「ESCAPE R3」のディレーラーハンガーはアルミ製で構造的に肉厚が薄い部分があり脆弱(転倒時に破損の事例も多い部品)ですので、締め付けは指定トルクを基準にしつつもアルミ製のハンガーが変形しないように考慮し締め付ける必要がありました。
また、上記写真にも記載していますが「SRAM X3」のときとシフトワイヤーのラインが変わるため、アウターワイヤーの長さの変更が必要です。
リアディレーラー側のアウターワイヤーの長さの決め方は「ESCAPE R3」に限らず概ねの車両が写真のように、フレームに付いているアウターワイヤー留めの部品からボトムブラケットシェル下のワイヤーガイドまでの長さを目安にするとちょうど良いと、某自転車屋さんのサイトに書いてあったので参考にしました。ちなみにこのエスケープR3のフレームサイズでは300mmでした。
つづいてシフターの交換です。新しいシフター「SL-M315-8R」はハンドルバーに取り付ける際、グリップとブレーキASSYを取り外さないとハンドルバーに固定金具を通せないタイプです。写真に記載の各所ボルトを緩めグリップとブレーキASSYを取外し作業を進めます。
新たに付け替えたシマノのシフター「SL-M315-8R」です。シフトレバーが長めのため、ブレーキASSYがら離して取り付けました。
こちらが取り外した「SRAM X3」のリアディレーラーです。外観はまだまだ綺麗ですが、2つあるプーリーは両方とも軸受け部が摩耗しガタが出ています。ガイドプーリー側の摩耗は大きくこれが変速不具合の原因になっていたと思われます。不思議とプーリーの歯の摩耗は思っていた程ではなかった。
シフターの「SRAM X3」は若干の汚れのみで、機能的にはまだまだ使える状態。リアディレーラーに比べ耐久性がなかなか良いと感じました。リアディレーラーはプーリー交換が可能であれば、もっと長く使えたのにと残念に思ってしまいます。
SRAM製品はセッティングなどがSHIMANO製品に比べ難しくあまり評価されませんが、個人的に操作性の良さやデザインが好きですね。 しかし製品価格や保守パーツの価格が、SHIMANO製品に比べ圧倒的に高価なため、今後はSHIMANO一択になってしまうのかなと個人的に嘆いています。
今回交換したシマノ製のリアディレーラーは、購入者レビューは高評価が多く走行距離については3万km程走れたという意見もあり期待しています。
整備時積算距離:12324km
追記:ディレーラーおよびシフター交換後200kmほど走りましたので、今回交換したパーツについての個人的な感想を少し書きます。
今のところ特に問題は起こっていません。シフトチェンジのフィーリングはSRAMに比べてSHIMANOの方が軽いタッチでレバー操作できて、変速が心地よく決まる。一気に3速シフトダウンできる機能も、使用前はこんなの必要ないだろうと思っていましたが、使ってみると信号停止前や急坂の手前でのシフトダウンにとても便利で多用しています。