厚木市にある「ミツマタ桃源郷」と呼ばれるミツマタの群生地と、高取山にある「採石場」を見ながらの山歩きをしてきました。
コースは丹沢地域でも東に位置する相州アルプスと呼ばれるエリアで「高取山」「華厳山」「経ヶ岳」の3つのお山で、地元では西山三山と呼ばれ昔から親しまれている美しい峰々です。
複数ある登山口のでも「ミツマタ桃源郷」に寄るのなら「大平登山口」が便利です。
大平登山口に向かうには、ゴルフ場内の市道を通って向かいます。その市道への分岐には案内看板があるので、それを目印にすると分かりやすいです。看板のある分岐点はこちらです⇒(Googleマップ)
ゴルフ場内の市道を上り詰めると、写真のような赤い欄干の小さな橋があり、ここを渡りすぐ右折して用水路沿いの道を登っていきます。
道の突き当りに害獣侵入防止柵があり、大きなゲートが設置されています。こちらのゲートには鍵は掛かってなく、扉の留め金具を回せば開けられます。どうやら調べてみるとゲート内の広場には、車を駐車することが可能のようですね。ただ前述の小さな赤い橋の道幅が狭いので、大きな車では広場のある駐車スペースまで来ることはできない可能性があります。
ゲートに設置されたポストには「西山登山マップ」が入っていてました。「西山を守る会」という、西山の整備など日々手入れをし自然を守っている方々が有志で配っている地図です。市販の登山地図にはない興味深い解説や見どころが満載だったので、ぜひ西山に来られた際には活用してみてください。
「ミツマタ桃源郷」では、散策道の両脇に列をなして育つミツマタが出迎えてくれます。おそらく地元の方が紙漉きをしていたころに、原料として植えていたんだと思います。どの木も大きく育ち立派な樹幹をしていて、花付きが良く圧巻の風景です。
訪問時はちょうど花の見ごろで、「桃源郷」の言葉がぴったりのミツマタの群生を見る事ができました。ミツマタのお花畑というのか花回廊というのか、とてもステキな雰囲気です。
続いて、ミツマタの桃源郷を離れ今度は登山道に入っていきます。ここのルートは道標が分岐点等には必ず設置されているし、安心して登山が出来るハイキングコースですね。
途中には石仏群があり、歴史ロマンを感じるトレッキングを堪能できます。
ここの石仏群は、四国に行かずとも四国霊場巡りと同様のご利益があるとされ、各地にできたご当地の四国霊場の1つだと思われます。各地の石仏の多くは、明治の廃仏毀釈により破壊され哀しい姿になっている事が多いのですが、ここの石仏群には当時の状態が保たれている石仏がわりと多いです。高取山の山頂が近づくと、傾斜が急になる登山道があらわれます。要所にはトラロープの補助があり助かります。
途中、木々の間から見える採石場の広さに驚く。数年前はこんなんだったかなと思う程の規模でした。
高取山から「発句石」への分岐点。ヤセ尾根のため注意が必要です。
「発句石」の設置された広場に到着。
高さ1 mほどの石には俳句が刻まれています。
「発句石」の設置された広場からは「採石場」の全景を見渡すことが出来ます。この日はドリルマシーンで、発破のためのダイナマイトを埋設する穴を掘っていました。
「発句石」のある「高取山」を離れ、「華厳山」へ来ました。
山頂標識の下には、雑貨の無人販売がありました。山の上での無人販売は珍しいですよね。アクリルたわし、しおり、バッジ、ブローチなどが販売されているようです。
「経ヶ岳」へ向かう途中には、「異種格闘木」と名付けられた違う種類の木が絡み融合した木がありました。
昨年の台風19号による影響だと思われる倒木が登山道を塞ぎますが、迂回する巻道がしっかりとあり問題なく通過できます。
「経ヶ岳」への最後の急登には「モミの木地蔵」が祀われています。
経ヶ岳に到着。山頂は木々に囲まれていますが、落葉期であれば落葉した枝の間から眺望が望めます。
こちらの巨石が「経石」といい、弘法大師がこの岩の穴に経典を納めていたという伝説がのこります。
「経石」についての詳しい説明看板も設置されています。
経石の西側にまわると、巨石の上の方には小さな穴が開いているのを見る事ができます。伝説によると、その穴に経典が納められていたそうです。現在は、小さな可愛らしいお地蔵さんが祀られています。
そして来た道を引き返し「大平登山口」に戻って来ました。行程的には7km弱で累積標高が620mという事で、のんびり散策も兼ねた楽しい山行になりました。
最後に高取山の発句石から望む、「採石場」の様子を撮影してきたので紹介します。
この広大な採石場では多くのダンプカーや、重機が忙しそうに働いていました。採石場の場内というのは滅多に見る事ができないと思うので、ここ相洲アルプスに訪れた際はぜひ「発句石」の広場へも寄ってみてください。