秦野市の蓑毛地区にある「大日堂」と呼ばれる名刹に訪れました。以前も訪れたことがあるのですが、桜の咲くこの時期に訪れたのは初めてです。
境内に植えられた桜の古木が満開の花を咲かせていました。
朱塗りの大日堂には「金剛王殿」と記された風格のある扁額が掛けられていました。この日は公開日ではないので大日堂の扉は閉ざされていて拝観できませんでしたが、お堂の中には平安時代からつたわる五智如来坐像が安置されているそうです。ちなみに、この五智如来坐像は神奈川県と秦野市の指定重要文化財となっています。
そして、大日堂は建物自体も歴史がありとても風格のある佇まいでした。とくに軒まわりの装飾が素晴らしく、当時の職人さんの技を感じる事ができます。このお堂については、同じ境内にある仁王門や不動堂、地蔵堂と共に2017年(平成29年)に国登録有形文化財に登録されています。
こちらは、大日堂から北側へ続く2つの急な階段が並んでいる不思議な風景。右側が不動堂へと続く階段で、左側が御嶽神社へと続く階段です。2つの階段の間に咲く桜の古木がなんとも風情があります。
せっかくなので、御嶽神社へ続く階段を登ってみました。階段を登り切り見下ろすと、なかなかの急階段ですね。
こちらは、大日堂の北西にあった「金剛水」という湧水井です。昔はここの清水で身を清めて大山参りをしたそうですが、残念ながら現在は涸れてしまって石組の池のような遺構がのこっているのみです。そばには錫杖をもった不動明王と思われる石仏が鎮座していました。のちに少し調べてみたところ、この金剛水は関東大震災の地殻変動が地下水脈に影響し枯れてしまったそうです。