静岡県三島市にある「山中城跡」を訪れました。ここの城跡は山城の中でもめずらしい造りをしていて、通常の城のように石を積んで造る石垣のような造りは見られなく、土塁と堀により山中に築きあげられた要塞なのです。箱根峠から三島方面へ下る西麓の山中に突如として現れ、起伏に富んだ表情を見せる山城はとても美しく何度も訪れたくなります。
こちらは、「西ノ丸」の南側の「畝掘り」です。堀と接する「西ノ丸」の法面部分のブルーシートは、2019年の台風被害による崩落個所を復旧作業が完了するまで雨による浸食から保護するため設置されているようですね。
こちらの看板に、台風被害の状況についての説明が記載されていました。説明によると、崩落しているのは城の遺構(山中城本来の部分)を保護するための土が流れ出たもので、戦国時代の山中城本来の堀や土塁に大きな影響はありませんと記載されています。どうやら芝の植栽と表土部分で色の違う土は、本来の山中城遺構を保護するための物だったのですね。
こちらは、「西ノ丸」の北西部に広がる「障子掘り」です。まるで棚田の畦道のようで美しい。
こちらは、「西櫓」の西側につくられた「畝掘り」です。天気が良ければ、この堀の先に美しい富士山が見える絶好の撮影スポットです。この日は春霞と雲でわずかにシルエットが見える程度でした。
「山中城跡」は史跡公園として整備され美しい芝と植栽に心安らぎます。訪れた時はちょうどアカヤシオの薄ピンク色の花が咲いていました。
こちらは、「二ノ丸」と「元西櫓」の間に掛かる橋である「二ノ丸橋」です。
こちらは、「二ノ丸」から望む「元西櫓」と「西ノ丸」方面の眺めです。山中に造られた山城の独特な起伏形状と、広々と貼られた芝が相まって美しい眺めです。
こちらは、「二ノ丸」と「本丸」の間に掛けられた「本丸西橋」です。「二ノ丸橋」に比べ小さく短いですが、これもまた趣があるり面白いですね。
ここまでは、本丸がある箱根旧街道から北側の山城遺構群を巡っていましたが、今度は箱根旧街道を挟んで南側にある山城遺構の方へ向かいます。
こちらは、「すりばち曲輪」といわれる曲輪です。「すりばち曲輪」という名が付いている事からも分かるように大きくスリ鉢状に窪ませてあります。攻めてくる多くの武士をここで停滞させる戦術だったようです。
こちらは、「すりばち曲輪」の北側から「岱崎出丸」の北西側に沿うように造られた「一ノ堀」です。真っ直ぐな一直線の堀に、等間隔に整列した畝状の構造体が美しいかったです。
ここからは、今回の山中城散策の余談です。
こちらは、駐車場内に設置されたサイクルラックです。あまり見かけないタイプのサイクルラックですよね。たこの足のように突き出た部分の溝にタイヤをはめて使うようです。箱根峠に向かうサイクリストさんは多いので、ちょうど峠までの中腹にある山中城跡は売店やトイレもあり良い休憩ポイントになるのではないでしょうか。
こちらは、売店の東側を通る箱根旧街道の石畳そばに設置されていた石碑です。三島宿(8km)と箱根関所跡(7km)までの距離が表示された石碑でした。
こちらは、売店の名物である「寒ざらし団子」です。緑色のお団子は、ヨモギ団子で甘味噌が掛かっていてヨモギの風味と味噌田楽のような甘味噌がベストマッチ。白色のお団子は、抹茶きな粉と少々お塩が掛かっていて抹茶の香りとお塩の塩味がちょうどよく美味しかったです。