自転車のタイヤにパンクまで至らないものの、刺し傷や小さな亀裂が出来ることがあります。この原因の多くは尖った小石やガラス片などによるものが多いです。特にスポーツサイクルのタイヤは空気圧が高く硬いためなのでしょうか、小石を踏んだ際にタイヤが硬いがゆえに穿孔する力を逃がせず刺さってしまいます。
上の写真は、小石を踏み石の尖った部分が刺さってしまったクロスバイクのタイヤです。
タイヤに刺さっていた小石を取り除くと、タイヤの表面には穴が開いていました。深さは1mmにも満たない刺し傷ですが、ここからさらに傷が広がってしまうのを防ぐため補修をします。
今回補修に使うのは、「セメダイン スーパーX」という変性シリコーン系の接着剤です。この接着剤は無溶剤タイプのため硬化後の肉痩せが少なく、今回のように傷に充填するような使い方には効果的な補修材です。色はクリアーとブラックがありますが、タイヤの色に合わせてブラックを用意しました。
こんな感じに竹串を使って刺し傷の奥まで「セメダイン スーパーX」を押し込みます。始めは薄く塗りタイヤのゴム面とのベースをしっかりと作り、その後に刺し傷の穴を埋めていく方が充填した接着剤が剥がれ難くなります。ただし最初に塗った接着剤の表面が乾かないうちに本塗りをするようにします。これは変性シリコーン系の接着剤は硬化後は、追加の接着剤とは融合しないからです。
しっかりと接着剤を盛るとこの様な感じになります。取説に記載の硬化時間(約24~48時間)を過ぎるとゴムのような硬さになり、自転車に乗る事ができますが、走行後しばらくは接着剤の表面には吸着力があり小石やゴミを拾いやすいです。数キロも走れば、それも無くなりタイヤのゴムと同じような質感になりました。
この補修の後に50kmほど走行していますが、今のところ接着剤が剥がれるようなことはありません。この補修がどの程度の耐久性があるのか、今後も検証していきたいと思います。